一般書類のスキャナ保存方法やタイムスタンプの扱い
スキャナ保存の対象となる書類は、重要書類と一般書類に大きく分類できます。スキャナ保存するときの要件はそれぞれの書類で異なるため、違いをしっかりと理解しておくことが大切です。
そこでこの記事では、一般書類に該当するもの、一般書類のスキャナ保存方法やタイムスタンプを付与するときのポイントなどについて詳しく解説します。効率よく業務を進めるためにも、一般書類の特徴や要件をしっかりと理解しておきましょう。
適時に入力する方法が可能な一般書類の種類
スキャナ保存の対象となる国税関係書類は、資金や商品の流れに直結する重要書類と、直結しない一般書類の2つに大きく分けられます。
重要書類に該当するのは、契約書、領収書、請求書、納品書などです。
一般書類に該当するものとしては、見積書、注文書、検修書などが挙げられます。具体的には、以下のような書類が一般書類として分類されます。
(1)保険契約申込書や電話加入契約申込書などのように、別途、定型的な約款が設けられている契約申込書
(2)口座振替依頼書
(3)棚卸資産を購入した人が作成する商品受取書や検収書
(4)注文書や見積書などの写し
(5)自分で作成した納品書の写し
一般書類は、重要書類と比較すると入力期間の制限が緩く、適時に入力する方法を選択可能です。そのほか、解像度や大きさ情報に関する要件なども、それほど厳しくはありません。
なお、重要書類については電子帳簿保存法の規則第2条第7項に規定する国税庁長官が定める書類を定める告示(平成17年国税庁告示第4号)について改正が行われたため、該当するケースはよく確認しておきましょう。平成28年3月は恒久的施設との内部取引に関して外国法人が作成した書類に対応する改正、令和元年9月には、重要書類に消費税法第30条第11項に規定する本人確認書類を追加する改正が行われました。
過去に受領した一般書類もスキャナ保存できる
一般書類であれば、過去に受領したものであってもスキャナ保存できます。前述のとおり、一般書類には入力期間の制限がなく適時に入力できるため、他の要件を満たしている場合は、過去に受領した書類をスキャナ保存しても問題ありません。過去の重要書類については、適用届出書を提出すれば、適時に入力できます。
一般書類のタイムスタンプ付与期間
一般書類へのタイムスタンプは、以下のいずれかのタイミングで付与します。
(1)書類を受領してから、おおむね7営業日以内
(2)書類を受領してから、その業務処理に係る通常の期間(最長2ヵ月)を経過した後、おおむね7営業日以内
上記の期間を過ぎた場合は、正しく読み取られていることを確認したうえで、タイムスタンプを付与する必要があります。
一般書類のスキャナ保存要件が免除されるケース
災害などのやむを得ない理由により、保存要件に従えなかった場合は、要件を満たしていなくても適正な電子データとして認められます。ただし、保存要件に従うことが免除されるだけであり、保存する義務自体が免除されるわけではありません。書類の紙原本が残っていない場合は、スキャナ保存を行い、電子データをしっかりと保存しましょう。この考え方は、一般書類についても、重要書類についても適用されます。
一般書類も正しい方法でスキャナ保存しよう!
今回は、一般書類の種類やタイムスタンプ付与期間などについて解説しました。一般書類は、重要書類と比べると要件は緩いものの、決められた方法に従ってスキャナ保存を実施しなければなりません。一般書類に該当するかどうかを見極めたうえで、入力期間やタイムスタンプの付与期間などの要件を満たすように注意しましょう。