電子帳簿保存法のスキャナ保存と電子取引はまとめて一か所で保存してもOK?

電子帳簿保存法においては、電子帳簿、自社作成の書類保存、スキャナ保存、電子取引の4つの区分に分かれており、それぞれの区分で法律の取り決めがいくぶん異なっています。

たとえば、電子帳簿やスキャナ保存においては、従来通り紙で保存することもOKで、電子保存は任意ですが、電子取引においては電子保存が必須になるといった点などがあげられます。

スキャナ保存と電子取引においては、同じ帳票の種類においても、取引先によっては書類の受け渡し方法が異なるケースはよくあります。

A社はEDIで取引を行っているので、注文書や請求書はシステム上で管理しているけど、B社は紙の注文書や請求書を郵送でやりとりしているような例です。

B社の書類はスキャナ保存でデータとして電子保存で運用していても、A社は別のシステムで電子保存しているので、ばらばらに管理することになります。
ばらばらに管理すること自体は、電子帳簿保存法においても問題はないのですが、スリムな運用として一元管理したいなという思いは誰しも抱くもの。

このようなケースで、スキャナ保存と電子取引の各電子保存を一つのシステムでまとめて運用することは問題ないのでしょうか?

これに対し、国税庁のHPにて「電子帳簿保存法Q&A(一問一答)」の中で、次のような記述があります。

問28 当社はスキャナ保存制度を利用しており、スキャニングした画像データを管理するための文書管理システムで保有しております。今回、電子取引により受領したPDFデー
タについても、この文書管理システムで管理することを検討していますが問題ありますでしょうか。

【回答】
電子取引により授受されたデータの保存に当たって、訂正削除履歴や検索などの機能要件を満たすのであれば、スキャナ保存と同じ文書管理システムで、電子取引のデータを保存し
ても問題はありません。

【解説】
電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存に当たっては、真実性や可視性を確保するための要件を満たす必要があります(【問 11】参照)が、例えばスキャナ保存の要件を備えた文書管理ソフトが電子取引の保存要件も満たしている場合には、当該文書管理ソフトを利用して、電子取引により授受されたデータを保存することも可能であると考えられます。

ということで、一つのシステムでまとめて管理しても、問題ないということでした。

むしろ、管理の効率化や税務調査をスムーズに進めるうえでも、まとめて管理できる文書管理システムを導入することを推奨したいというぐらいのものですね。

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Dencho-ho.info 編集部

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