スキャナ保存のタイムスタンプの役割や活用方法
紙の書類をスキャンして保存する場合は、タイムスタンプを付与することが欠かせません。
タイムスタンプの存在により、スキャンした電子データの信頼性を証明することができます。
この記事では、スキャナ保存におけるタイムスタンプの役割や、付与する際の3つのポイントについて解説します。
スキャナ保存を取り入れようと検討している方は、導入前にしっかりと理解しておきましょう。
スキャナ保存におけるタイムスタンプとは?
タイムスタンプとは、電子データの存在や信頼性を証明するためのものです。
電子データは紙の書類とは異なり、簡単に内容を書き換えたり複製したりできるため、改ざんされる可能性があります。
そこで、電子データにタイムスタンプを付与することにより、ある時点でその電子データが存在していたこと、その時点以降は内容が変更されていないことを証明しているのです。
自分でタイムスタンプを付与するだけでは改ざんされる可能性もあるため、原則として第三者によって行われます。
タイムスタンプは、一般財団法人日本データ通信協会が定める基準を満たすタイムスタンプ事業者によって付与されるのが基本です。
このタイムスタンプ事業者には、「タイムビジネス信頼・安心認定証」が交付されます。
さらに「タイムビジネス信頼・安心認定マーク」を使用できるため、タイムスタンプ事業者としての信頼性をチェックしたい場合は、このマークの有無を確認するとよいでしょう。
スキャン保存におけるタイムスタンプ付与の3つのポイント
電子データにタイムスタンプを付与するときは、以下のポイントを把握しておきましょう。
1.複数ファイルにまとめてタイムスタンプを付与してもよい
電子データにタイムスタンプを付与する場合、単ファイルごとに付与する方法と、複数ファイルにまとめて付与する方法の2つがあります。
書類種別や部署ごとにまとめてタイムスタンプを付与することで、業務を効率化できるでしょう。
ただし、まとめて付与する場合は、ファイルごとに改ざんの検証ができるシステムを用いる必要があります。
2.単純なスキャンミスが発覚した際のタイムスタンプの取り扱い
スキャンの際の書類の折れ曲がりなど、単純なスキャンミスが発覚した場合、ミスを把握してから定められた入力期間内に再度読み取り、タイムスタンプを付与すれば問題ありません。
ただし、スキャンミスがあるデータと、再度読み取るデータの同一性が確認できる、当初の読み取りが入力期間内に行われているなどの条件があるため注意しましょう。
3.タイムスタンプの付与要件の代わりになるもの
訂正や削除の履歴が残るシステムであり、かつ、入力期間内に入力したことを確認できる機能が搭載されたシステムに保存すれば、タイムスタンプ付与の代わりとすることができます。
ただし、タイムスタンプの目的である、ある時点以降変更されていないことを証明できるシステムでなければなりません。
タイムスタンプを付与したうえで電子データを保存しよう
今回は、スキャナ保存におけるタイムスタンプの役割や、付与するときのポイントについて解説しました。
タイムスタンプは、電子データの存在や信頼性を証明するために欠かせません。
電子データには適切なタイミングでタイムスタンプを付与し、信頼できるデータとして管理していきましょう。