過去分重要書類のスキャナ保存方法や注意点
国税関係書類のなかでも契約書や領収書といった重要書類については、一般書類と比較して、スキャナ保存に関する厳しい要件が設けられています。過去に受領した重要書類についても、スキャナ保存をするためには必要な手続きがあるため、しっかりと理解しておきましょう。
この記事では、過去分重要書類のスキャナ保存方法や注意点について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
過去に受領した重要書類のスキャナ保存入力期間
電子帳簿保存法におけるスキャナ保存の対象となる国税関係書類は、重要書類と一般書類の2つに大きく分類されます。重要書類に該当するのは、資金や物の流れに直結するものです。具体的には、契約書や領収書、納品書や請求書などが挙げられます。
重要書類のスキャナ保存については、基本的には入力期間の制限という要件を満たさなければなりません。ただし、過去分の重要書類については、入力期間の制限がないため、すでに受領している書類のスキャナ保存も可能です。
過去分の重要書類をスキャナ保存する場合は適用届出書の提出が必要
過去分の重要書類をスキャナ保存する場合は、所轄税務署長に適用届出書を提出しなければなりません。適用届出書が受理されれば、過去に作成したり受領したりした重要書類についても、一定の要件のもとスキャナ保存ができます。過去の重要書類が膨大に存在し、スキャン作業に時間がかかるケースも想定されるため、適用届出書を提出すれば、その後の入力期間の制限はありません。
なお、一般書類については、そもそも入力期間の制限がないため、適用届出書の提出は不要です。
過去分重要書類の適用届出書に関する3つの注意点
ここでは、過去分重要書類の適用届出書に関する注意点を紹介しますので、確認しておきましょう。
1. 適用届出書は法人自体が提出しなければならない
過去分重要書類の適用届出書は、法人自体が本店所在地の所轄税務署長に対して提出しなければなりません。たとえば、国税関係帳簿書類を本店とは別の事業所において保存している場合でも、その事業所の長ではなく、法人自体が適用届出書を提出する必要があります。
2. 適用届出書は法人税の納税地を所轄する税務署長に提出しなければならない
過去分重要書類の適用届出書は、法人税の納税地を所轄する税務署長に提出する必要があります。法人の実態が納税地とは別の場所にある場合でも、納税地の所轄税務署長へ提出するのが基本です。
3. 災害時などの過去分重要書類のスキャナ保存
適用届出書を提出していない場合、災害などのやむを得ない理由があったとしても、過去分重要書類について保存要件を満たさずにスキャナ保存することは認められません。過去分重要書類をスキャナ保存したい場合は、適用届出書の提出を忘れずに行いましょう。
適用届出書を提出して過去分重要書類をスキャナ保存しよう!
今回は、過去分重要書類に関して、スキャナ保存の入力期間や注意点を解説しました。過去に受領した重要書類については入力期間の制限はありません。ただし、過去分重要書類をスキャナ保存する場合は、適用届出書を提出しなければなりません。各事業所ではなく法人自体が提出する、法人税の納税地を所轄する税務署長に提出する、といったルールがあるためしっかりと理解しておきましょう。