電子帳簿保存法の電子取引の範囲はどこまで?メールは?FAXは?
2022年1月より施行される改正電子帳簿保存法では電子取引において授受される書類は、これまでは紙で保存することが必須とされていたものを電子保存することが必須となりますが電子取引とはどこまでがその範囲となるのでしょうか?
メールで受け取った注文書や請求書は?FAXはどうなるの?といった疑問にお答えします。
国税庁の「電子帳簿保存法取扱通達の制定について」の一部改正についてという通達の中で、次のような記述があります。
(電子取引の範囲)
2-2 法第2条第5号((電子取引の意義))に規定する「電子取引」には、取引情報が電磁的記録の授受によって行われる取引は通信手段を問わず全て該当するのであるから、例えば、次のような取引も、これに含まれることに留意する。
⑴ いわゆるEDI取引
⑵ インターネット等による取引
⑶ 電子メールにより取引情報を授受する取引(添付ファイルによる場合を含む。)
⑷ インターネット上にサイトを設け、当該サイトを通じて取引情報を授受する取引
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/sonota/kaiseir030628/pdf/01.pdf
(1)にあるEDI取引というのは、受発注システム等によってシステム化された取引のことです。
システムで発行する注文や請求内容を、これまではプリントアウトして保存することが義務づけられていましたが、プリントアウトすることが不要となりました。資源の無駄と感じていた人も多く、ペーパーレス化の恩恵をかなり実感できるようになりそうですね。
(2)はECサイトやインターネット上の取引プラットフォームになります。
(3)は電子メールで注文書や請求書などの授受を行った場合です。
PDFで書類を添付して授受した場合は、そのPDFを保存することが必須となります。紙に印刷することは自由ですが、紙だけ保存しておくことはNGです。
税務調査の際に、税務調査員の調査請求にすみやかに応じることができるようにしなければいけません。各担当者のPCのメールソフトの中で保存されているだけではNGです。
保存方法については事務処理規程を定めることが必要となります。要するに電子取引の電子保存に関する社内ルールの制定ですね。
事務処理規程についてはまた別の記事で紹介します。
メールで取引する場合に、PDFなどの添付ファイルがあれば、その添付ファイルだけ保存すれば大丈夫です。注文書や請求書としてその内容がメール本文に記載されているのみの場合においては、メール自体を保存しなければいけません。その際は検索性を考慮してファイル名に取引先名、日付、金額を含める形で保存されるのが良いでしょう。
FAXで授受した書類について
FAXで受け取った書類は受け取り方次第で電子保存の可否が分かれます。
こちらの記事で詳しく説明していますのでご参考にしてください。