電子取引の電子保存において、スクリーンショットの保存でも大丈夫?

令和4年1月から変わる改正電子帳簿保存法では、今までは印刷して紙で保存しなければならなかった電子取引における領収証などの書類は電子データで保存することが義務付けられました。

EDIやECサイトなど、多くのシステムやサービスにおいては請求書や領収証などはPDFで出力できたり、画面しかなくても印刷用にレイアウト調整された表示ができるようになっていますが、中には表示画面を印刷しようとすると印刷レイアウトではコンテンツが表示されなかったり、大きく表示が崩れてしまったりするケースもあるかと思います。

スクリーンショットでの保存でも、電子保存として認められるのでしょうか?

これに対し、国税庁の「電子帳簿保存法Q&A(一問一答)」の中で、次のような記述があります。

問14 税務当局から電磁的記録の書面への出力を求められた場合には、画面印刷(いわゆるハードコピー)による方法も認められますか。

【回答】
規則第2条第2項第2号において、電磁的記録の画面及び書面への出力は「整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力することができる」ことと規定されており、この場合の「整然とした形式」とは、書面により作成される場合の帳簿書類に準じた規則性を有する形式をいいます(取扱通達4-8)。
そのため、整然とした形式及び明瞭な状態で速やかに出力できれば、画面印刷(いわゆるハードコピー)であっても認められます。

なお、この取扱いは、画面及び書面に出力することができるようにしておくことを意味するものであり、電子取引に係る電磁的記録を出力した書面等を保存することを認めるものではありませんので注意してください。

【解説】
税務調査の際の電磁的記録の画面及び書面への出力に当たっては、書面により作成される場合の帳簿書類に準じた規則性を有する形式になっている必要がありますが、その形式については定めがないため、画面印刷(いわゆるハードコピー)であっても要件を満たせば認められます。

別の質問でも同様にスクリーンショットに対する回答もあります。

問27 電子取引を行った場合において、取引情報をデータとして保存する場合、どのような保存方法が認められるでしょうか。

【回答】
電子取引を行った場合には、取引情報を保存することとなりますが、例えば次に掲げる電子取引の種類に応じて保存することが認められます。

1 電子メールに請求書等が添付された場合
⑴ 請求書等が添付された電子メールそのもの(電子メール本文に取引情報が記載されたものを含みます。)をサーバ等(運用委託しているものを含みます。以下同じです。)自社シ
ステムに保存する。
⑵ 添付された請求書等をサーバ等に保存する。

2 発行者のウェブサイトで領収書等をダウンロードする場合
⑴ PDF等をダウンロードできる場合
① ウェブサイトに領収書等を保存する。
② ウェブサイトから領収書等をダウンロードしてサーバ等に保存する。
⑵ HTMLデータで表示される場合
① ウェブサイト上に領収書を保存する。
② ウェブサイト上に表示される領収書をスクリーンショットし、サーバ等に保存する。
③ ウェブサイト上に表示されたHTMLデータを領収書の形式に変換(PDF等)し、サーバ等に保存する。

3 第三者等が管理するクラウドサービスを利用し領収書等を授受する場合
⑴ クラウドサービスに領収書等を保存する。
⑵ クラウドサービスから領収書等をダウンロードして、サーバ等に保存する。

4 従業員がスマートフォン等のアプリを利用して、経費を立て替えた場合
従業員のスマートフォン等に表示される領収書データを電子メールにより送信させて、自社システムに保存する。
なお、この場合にはいわゆるスクリーンショットによる領収書の画像データでも構いません。
おって、これらのデータを保存するサーバ等は可視性および真実性の要件を満たす必要がありますので注意してください。

【解説】
法第2条第5号において、電子取引とは、「取引情報の授受を電磁的方式により行う取引をいう。」と定義され、その取引情報の具体的な内容は、「取引に関して受領し、又は交付
する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項」とされています。
この電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存に関して、授受した電磁的記録をそのまま上記の方法により保存することが認められますが、電子取引により受領した請求書等の取引情報(請求書や領収書等に通常記載される日付、取引先、金額等の情報)を確認し、改めてその取引情報のみをサーバ等に自ら入力することをもって電磁的記録の保存とすることは
認められません。

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021006-031_06.pdf

とあり、HTMLで表示される領収書等はスクリーンショットでもOKであると記載されております。

注意しなくてはいけないのは、解説のほうで記載にあるとおり、表示されている情報を打ち直してファイルを作成しても、それは電子保存として認められないということです。
たとえば、コピペでWordやメモ帳に貼り付けて保存するのはNGということです。

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電帳法情報局 編集部

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