旧法の電子帳簿保存の承認を受けていても、優良電子帳簿の届出は必要?

令和4年1月から変わる改正電子帳簿保存法では、帳簿の保存において優良電子帳簿という新たな制度が設けられております。

これは、帳簿の保存に限り、検索要件などいくつかの要件を満たすことで電子保存時に改ざんを行い税申告に虚偽があるときのペナルティとしての加算税を軽減する措置です。過少申告加算税は10%ですが、優良保存が適用されると、5%に軽減されます。
(ただし、これは電子保存に関する部分での加算税であり、従来の重加算税35%も併せて課税されることになります。)

要するに、しっかり帳簿を電子保存していれば、過少申告の際に加算税を減額されるという制度ということです。

この優良電子帳簿を自社に適用するには、税務署への届出の提出が必要になります。承認審査制ではなく、届出を出すだけでOKなので、優良電子帳簿の要件をクリアしているのであれば提出しておいたほうが良いでしょう。

優良電子帳簿の届出は、既に旧法の電子帳簿保存の承認を受けている企業においても、提出が必要になるのでしょうか?旧法で承認を受けている企業は。その運用において優良電子帳簿の要件はクリアできていると思われますが、新たな届出は必要なのでしょうか。

これに対し、国税庁の「お問合せの多いご質問(令和3年 11 月)」の中で、次のような記述があります。

帳追2 既に旧法の承認を受けて電子帳簿保存を行っていますが、その場合であれば、法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書の提出は不要となるのでしょうか。

【回答】
既に令和3年度税制改正前の法の承認を受けて法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の対象となる全ての国税関係帳簿に係る電磁的記録を保存等している場合であっても、あらかじめ、本措置の適用を受ける旨等を記載した届出書の提出が必要となります(問 39 参照)。なお、この「あらかじめ」の適用に当たっては、本措置の適用を受けようとする国税の法定申告期限までにその届出書の提出があれば、あらかじめ提出があったものとして取り扱うこととされています(取扱通達8-4)。

とあり、旧法の電子帳簿保存の承認を受けていても、優良電子帳簿の届出は必要のようです。

届出の提出時期については、優良電子帳簿の対象とする事業期間に対する確定申告の期限までということなので、慌てなくても大丈夫ですね。

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Dencho-ho.info 編集部

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