電子取引の電子帳簿保存の検索要件はEXCELで管理しても問題ない?
改正電子帳簿保存法では、電子取引における請求書や注文書等の国税に関する書類においては、電子保存することが義務化されました。
EDIやECサイトなど、システムに搭載された検索機能が法的な要件を満たしていれば、そのままシステム上で管理すればよいのですが、メールで授受した注文書や請求書等も電子保存の対象となるため、メールで授受した書類は電子帳簿保存法の検索要件を満たさなければいけません。
これらの検索要件と削除履歴の要件をクリアするためには、これら機能の備わったシステムを導入することがまず最初に考えられます。
しかし、すべての事業者がそのようなシステムを導入することができるとも限りませんので、EXCEL等を利用して管理することも認められています。。
国税庁のHPにて「電子帳簿保存法Q&A(一問一答)」の中で、次のような記述があります。
問12 妻と2人で事業を営んでいる個人事業主です。取引の相手方から電子メールにPDFの請求書が添付されて送付されてきました。一般的なパソコンを使用しており、プリンタも持っていますが、特別な請求書等保存ソフトは使用していません。どのように保存しておけばよいですか。
【回答】
例えば、以下のような方法で保存すれば要件を満たしていることとなります。
1 請求書データ(PDF)のファイル名に、規則性をもって内容を表示する。
例) 2022年(令和4年)10月31日に株式会社国税商事から受領した110,000円の請求書 ⇒「20221031_㈱国税商事_110,000」
2 「取引の相手先」や「各月」など任意のフォルダに格納して保存する。
3 【問24】に記載の規程を作成し備え付ける。
※ 税務調査の際に、税務職員からダウンロードの求めがあった場合には、上記のデータについて提出してください。
※ 判定期間に係る基準期間(通常は2年前です。)の売上高が 1,000 万円以下であり、上記のダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、上記1の設定は不要です。【解説】
令和3年度の税制改正により電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、電磁的記録を出力した書面等を保存する措置は廃止され、その電磁的記録(データ)を保存しなければならないこととされました。
請求書データ等の保存に当たっては、一定の要件に従った保存が必要ですが、上記の方法により保存することで要件を満たすこととなると考えられます。
なお、上記1の代わりに、索引簿を作成し、索引簿を使用して請求書等のデータを検索する方法によることも可能です。索引簿の作成例
受領した請求書等データのファイル名に連番を付して、内容については索引簿で管理する。
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021006-031_06.pdf
電子帳簿保存法の電子取引で要求される検索要件とは
・取引先名
・取引日付
・金額
の3つが検索できることです。
回答の1にて、取引先名、取引日付、金額をファイル名に含めて保存する代わりに、EXCELで管理する方法が紹介されています。
管理する書類の数が少ないようであれば、このような方法で運用することを検討されるのがよいでしょう。
管理する書類の数がけっこう多いようであれば文書管理システムなどを検討されてもよいかと思います。